仕上げシート1枚分の厚さの段差は重要か?

収納扉の剥がれの補修相談です。

突然ですが、直すとはどういうことでしょうか?

本当に ”直す” には、元々の有った同じ素材を貼るとかしないとダメなのですが、そんなものが都合よく手に入るハズはなく、またコスト的にも高いです。(繋がっているところを全部はがさなきゃいけなかったり)

”直してほしい” と言っても本当の要望としては ”キズを消してほしい” ”キズが有ったことをわからなくしてほしい”と言う事なんでしょう。

それでは、キズの直し方(わからなくする方法)の一番重要でかつ一番簡単な方法は何でしょう?

Ans1:同じ色を作って塗ることです。

それではその次は?

Ans2:キズを埋めるとか、形状(損傷)を戻して整えることです。

その先ももう少しテクニックがあるのですが、この2つをやれば概ね人の目では認識できなくなっていきます。

で、この2つをやるということが実働としての2工程ということになりどの業種でもそうでしょうが工程分だけコストがかかりますね。

 

どのくらい直してほしい(わからなくなってほしい)かの要望は人によって若干差があって

その人の認識力によるもの(目の問題)って点もあるのですが、コストパフォーマンス重視で満足できれば良いという場合もあります。

”あーだいぶわかんなくなった。十分だー” って感想のときです。 笑

何度かこのブログで書きていますが、僕は必ずしも完璧を目指して決まりきった高い工賃をいただきたいという事はあまりしたくなく、このお客様はどのへんで満足する方なのかなあってところをまず探りたいって思っていて、特に初めてのお客様は補修で直るってことも疑わしく思っている場合が多いので、直し方(上↑で説明したようなこと)をこんな事をやるんですよってお話するようにしています。

コスト削減の厳しい現場の一つが賃貸物件で、当たり前の話ですがオーナーさんが支払い決定権を持っています。オーナーさんは投資回収が目的ですから修繕費用など出費はなるべくかけたくなく、しかし入居率アップのために中途半端な出費にもしたくない。そこで僕としては一番コストパフォーマンスの良い直し方(僕は ”美味しいとこ”って呼んでます)をなるべくご提示したいのですね。

 

話はタイトルのところへ行きますが

こんな事例。写真の様な仕上材1枚の剥がれ。紙1枚程度ですから0.1mm程度。ここは賃貸のお部屋で築年数も経っていて少しくたびれ気味。

通常の直し方だと、剥がれている所はカット。パテ盛り整形。着色。

コストカットパターンだと、色だけでもいけるかな?って気もします。ただし下地のラワンっぽいのに直接色は乗りませんので吸い込み防止のシーラーを塗ったり、やっぱりちょっと手間がかかる。しかもオーナーさんの意向がよくわからない。0.1mmの段差は絶対判りますので信用失う仕事は出来ません。

そんな思考です。

”この古い扉の剥がれ直すのにそんなに掛かるのー” って事をたまに言われるのですが、新品も中古も直し方は変わらないです。同じ数の工程がかかると同じ料金です。

アルミホイールのリペアでもよく ”そんなに掛かるんじゃ新品買えるじゃない”って言われますが、やっぱり同じで元々直したいものが安いのであって、安いものを直すから安くできるわけでは決して無いです。

 

人が一定の時間働くと一定の料金がかかります。

そこがわかっている方だと、着地点いわゆる落とし処に行って合意するのが早いです。

って、仕事を受ける側の理屈ですが僕も利用者側に回ると ”そんなに掛かるのー”って思っちゃうこと多いですね。最近はだいぶなくなってきましたけど。

時間の使い方、相手の時間を大切に、自分の時間も奪われないようにって事はここ1年位とても重要に思っています。

あれれ、最後なんとなく理屈っぽい話になっちゃいましたが、皆さんはどうですか?

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